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文亮[ぶんすけ]

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第1話  バレンタインデー

2017/02/14 Tue 12:00
category - エッセイ
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◆今朝、自分が普段書き物をする際に使う勉強机の前に行くと、机の上に何やら見かけない箱が置いてあることに気がついた。
 何だろうと思って、それを手に取ってみたが、これが何なのかすぐにわからなかった。箱の表面には何やら英字が記載されていたが、それを読んでもやはりわからない。
 いったいこれは何なのだろうと思って箱全体を見てみると箱の裏側に何やら紙が貼ってあって、そこには「チョコレート」という記述があった。
 どうやらこれは中にチョコレートが入った箱のようだ。
 この箱が何なのかは何とか把握した。
 問題はどうしてこの、中にチョコレートが入っているとおぼしき箱が、いきなり僕の勉強机の上に存在しているかだ。ひょっとして娘が忘れていったのだろうか?
 数分ほど考えてみたが答えは出なかった。しかし、いつものように古いスマホで聴いていたFMラジオの番組パーソナリティのおしゃべりで、やっとわかった。

 今日はバレンタインデーだったのだ。おそらく娘か嫁さんが置いて行ったのだろう。
 LINEで嫁さんと娘に、どっちがくれたのかと訊いたところ、すぐに娘から「可愛い可愛い娘から!」という返事が返ってきた。
 やはりそうか。いわゆる「義理チョコ」というやつだ。おそらく嫁さんもパート帰りの買い物で僕への義理チョコを何かしら買ってくるのだろう。いや、ひょっとしたらバレンタインデーにかこつけて、何かのスィーツを自分達(嫁さんと娘)用に買ってくるかもしれない。もしそうならば願わくば僕の分も買ってきて欲しいものである。
 嫁さんと娘には、娘からもらったチョコレートは夜に皆が揃った時に一緒に食べようとLINEで話した。今のところ何も返事はないが、おそらくそんなことなど当たり前のことなのだろうな。そしてそれとは別にいくつかのスィーツが目の前に現れるであろう。バレンタインデーというものは昔と比べると、ずいぶん自由になったものだと僕は思ってしまうのだけど、嫁さんや娘はそんなに深く考えないみたいね。きっとこのノリで3月半ばのホワイトデーにまで突き進んでいくのだろうな。さてその際は僕は何をお返ししなくてはならないことになるかしら? それを考えると今年は例年に比べてちょっと恐ろしく思えたするのだけど、今年のバレンタインデーがいつもよりちょっと豪勢だったとしても僕が自由に使えるお金は例年と何ら変わりないので、ホワイトデーのお返しもやっぱり例年と変わらないものになるのである。
 仕方がないさ。僕みたいな庶民のオッサンに対してホワイトデーを過度に期待する方が悪い。そう思わないかい?




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