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第13話 ラジオ(2)

2017/02/28 Tue 07:15
category - エッセイ
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◆「rajiko」で何を聴いているのか。

 最近は専ら「FMCOCOLO765」というFM放送ばかりを聴いている。時間帯は特に決まっていない。聴くことができる時に聴いている。従って固定の番組はない。その時々の番組を聴き、その番組で流れる曲を楽しんでいる。
 例外は日曜日だ。ばんばひろふみ(「『いちご白書』をもう一度」でお馴染みのバンバンだ。)がDJを務める「THE BEAT GOES SUNDAY」という番組を(必ずではないが)何気に聴いている。
 関西では他にも「FM802」というメジャーなFM放送局があるが、僕はこちらはあまり聴かない。別に毛嫌いしているわけではない。単に放送内容が「FM802」はどちらかというと若者向けで「FMCOCOLO765」が、それよりも少し高い年齢層向けのように思えるからだ。実際のところ「FM802」を聴いていると最新の曲が中心に流されているように思えるのだけど、その点「FMCOCOLO765」は古い曲もまんべんなく流してくれる。
 特にマンスリーアーティスト(当該月に重点的に取り上げるアーティスト)に熟練のアーティストを取り上げてくれることが多いところがいい。例えばここ数ヶ月に取り上げられたアーティストは、伊勢正三、槇原敬之、TULIPなど僕のような世代の人間にとっては、その名前を目にするだけでうれしくなってしまう人ばかりだ。
 しかも今月はなんと吉田拓郎だ。もううれしくてうれしくてたまらない。新曲である「ぼくの新しい歌」は毎日必ず数回は流れるし昔の色んな曲も毎日随所で流れてくる。さっきなんかは「金曜日の朝」という歌が流れたのだけど、これは学生時代に聴き倒しただけでなく自分でもギターを弾きながら唄い倒していた非常に懐かしくかつ思い入れのある曲のうちの一つで、それを十数年ぶりに聴いたものだからすごくテンションが上がってしまった。こういうことがあるからラジオってやっぱりいいなあと、つくづく思った。

 というのも僕はいくら好きな曲であっても自分で意図して聴くということがあまり好きではないから。いや、こう書くと語弊があるか。もちろん好きな時に好きな曲を聴くというのは好きなことであることには違いないのだけれど、僕はそれよりも「不意に好きな曲が流れてきた」というシチュエーションを好む性格だ。
 具体的には、例えば車を運転している際、好きなアーティストのCDを意図的にかけて聴くというような「好きな曲が流れてくるということを予め知っている」というシチュエーションよりも、「ラジオを聴いていたら思いがけず好きな曲が流れてきた」というシチュエーションの方が断然好きなのだ。はっきり言って、このシチュエーションを得たいがためにラジオを聴いていると言っても過言ではない。
 僕は自分で状況なり曲なりをチョイスしてしまうことを続けてしまうと、どうしても自分が気に入った曲ばかりを聴いてしまう傾向が強くなってしまって、結果的に新しい曲や、それまでに聴いたことがない曲などに出会う機会を減らしてしまう。それが僕は嫌なのだ。ただでさえ色々なものに縁の薄い人間だから少しでも機会は損失したくない。だから「やっぱりラジオ」ということになり、更には今のところ「FMCOCOLO765」というFM放送が僕にとっては色々な意味で一番心地良いのである。

 ちなみに吉田拓郎の新曲である「ぼくの新しい歌」は、おかげ様でほぼ完璧に覚えた。そして更には歌を覚えるだけでは物足りないので、押し入れにしまい込んでいたフォークギターを数年ぶりに引っ張り出し、スマホにギターチューニングアプリをインストールして調弦した後ギターコードを拾うということまでしてしまった。思い起こせば学生の頃はこういうことを日々当たり前のようにやっていたっけな。だから今でも体はコードをしっかり覚えているし耳も和音の響きにきちんと反応する。悔やまれるのは未だに譜面がきちんと読めないことかしらね。
 そんなこんなで(今日でおしまいだけど)、今月いっぱいはラジオから「ぼくの新しい歌」が流れてきたら、僕は迷うことなくこの歌をこっそり口ずさむと思う。




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