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文亮[ぶんすけ]

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第17話 お雛様

2017/03/03 Fri 12:00
category - エッセイ
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◆今日は耳の日、いやいや、それでは野暮だし趣がない。きちんと書こう。
 今日3月3日は桃の節句、つまり「ひな祭り」だ。中年男がよくそんなことを意識していたものだと思われそうだが、僕が覚えていたわけではない。
 覚えていたのは嫁さんだ。数日前から自宅の居間にある木製のキャビネットの棚には手のひら大ほどの大きさのお内裏様とお雛様が飾られているのだけど、それらは毎年嫁さんが忘れることなく飾っている。
 お雛様を飾ること、それは僕たちに娘がいるということが大きな理由なのだけれど、やはり嫁さん自身も女性だからなのだろう。男である僕が5月5日の端午の節句をほとんど気にせず、単に柏餅を食べることが恒例である日というような意識でいるのとは大きく違うように思える。女性というのは、いくつになっても桃の節句はある程度特別な日と無意識に思うものであるように見えるのだけど、男であり、かつ不精な僕には、その辺りの実際の感覚は、とんと見当がつかない。

 雛人形。実は僕んちにはもう少しきちんとした雛人形がある。それはたいそうご立派なものではないし世間でよく見かける五段飾りとか七段飾りのものでもない。リーズナブルな三段飾りのお雛様だ。
 これは僕や親たちがケチったわけではない。僕はさておき親たちは、やはりそれなりのものを与えようとしてくれて、娘の初節句の際にそういう話があったのだけれど、その頃は僕たちはマンション住まいで、ただでさえ狭いところに五段飾りや七段飾りのお雛様なんてものを飾れるわけがなかった。もちろんそういうものを保管しておく場所もなかった。だからコンパクトなお雛様でいいと思ったのだけれど、実際にコンパクトな雛人形を見ると、それはそれでやはり何か物足りないというか頼りなく見えた。おそらく一生ものになるだろうし、安い買い物ではないから買った後で後悔したくないとも思った。
 そんなこんなで落ち着いたのが三段飾りの雛人形だったわけである。
 一段目がお内裏様とお雛様。二段目が三人官女、そして三段目がいくつかのお道具類だ。
「三段」と聞くと五段や七段に比べて少し物足りないような気がしないでもないだろう。確かに店の中だと周りにある五段飾りや七段飾りの雛人形に比べて小さく見える。ものによっては貧弱だとさえ思ってしまう。
 しかしそれは違う。その考えは落とし穴だ。五段や七段がある中に置かれているから小さく見えるだけ。はっきり言ってマジックだ。実際に自宅で飾ってみた際は、その予想外のでかさに驚いた。しかもこれまた予想外に場所を取ったりもしたから尚更だ。そして「三段で十分だった」と自分たちの選択の正しさを再認識したのである。
 もちろん、自宅がそこそこ大きな一軒家で雛人形を飾るのに十分なスペースが用意できるのであれば五段飾りや七段飾りで問題ないのだろうが、例えば一般的なマンションで飾るとなると五段飾りや七段飾りは難しい。下手をすると寝るスペースを雛人形に占領されて、自分たちはソファで窮屈な思いをして寝なければならないということになりかねない。
 実際のところ僕の場合、三段飾りであってもそれを飾ることで部屋一つが実質的に使えなくなった。元から箪笥や本棚を置いていた団地サイズの6畳間に更にお雛様を飾ったから、もう足場もないくらいという状態になったのだ。これが五段飾りや七段飾りだったら、いったいどうなっていただろう。思い返すにたいていの場合、十日か一週間くらい前から飾りだし、3月3日が過ぎるまでの間、その状態で暮らしていたのだ。五段飾りや七段飾りなんて想像するだけでウンザリものだ。

 あの頃は、マンションじゃなくて一軒家だったら気兼ねなく飾ることができるのに、と思っていた。でも不思議なものだ。現在の家(小さいながらも一軒家)に引越してからは結局今に至るまで一度もその三段飾りの雛人形を飾っておらず、それは10年以上、ずっと押し入れの中で眠り続けている。娘が大きくなるにつれ、雛人形というもののイベント性が薄れてしまったことと、飾ったり片付けたりすることに対応する労力や気力がなくってきたことが、その大きな原因だ。そして代わりに飾っているのが数年前に嫁さんが誰かからもらってきた前述の手のひら大ほどの大きさのお内裏様とお雛様の二体の人形なのである。
 ちなみにこれなら狭いマンションでも問題なく飾ることができただろう。だが現実はこの一軒家で飾られている。三段飾りのお雛様を差し置いて飾られている。
「これでは逆だよ」と毎年思うのだけど、そのあとすぐに「かと言って三段飾りのお雛様を引っ張り出してくるのは、やっぱりキツイ」という結論に達し、結局のところ家の広さは何も関係なくて単に出し入れが面倒臭いだけなのだと我ながら呆れてしまう次第。きっとこの先ずっとこうなのだろう。

 でも待てよ、可能性がないわけではない。この先10年くらいの間にチャンスが訪れるかも知れない。チャンスというのは娘が結婚して女の子を生んだ場合のことだ。その時はきっと相応の雛人形が欲せられる雰囲気が到来するに違いない。その日、その時こそあの三段飾りのお雛様は押し入れの中から解き放たれるのではないだろうか?。

 でも本当にそんな日が来るかな? 結婚したとしても男の子しか生まれない可能性もある。そうなったらもうあの三段飾りのお雛様は日の目を見ることはないのかしら?

 おっとその前にカビとかはえていないかしら? 本当にもうう10年以上箱から出していないんだもの。まずはそれが問題か。だが怖くて僕には箱を開けられそうにない。ここはやはり嫁さんに頼むしかあるまい。




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