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第39話 小さな恋のメロディ(Melody)

2017/04/03 Mon 07:10
category - エッセイ
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◆またまた古い映画を観てしまった。どういうわけか最近は古い映画、そう昔観た懐かしい映画を数十年ぶりに観るという機会が多い。まるで走馬灯のようだ。この巡り合わせは僕に自分の命があと残りわずかだということを示唆しているのだろうか?

「小さな恋のメロディ」。これはマーク・レスター、トレイシー・ハイド、そしてジャック・ワイルドが出演した、少年少女の恋を瑞々しく描いた映画で、1971年に日本で公開された。
 当時僕は確か小学三年生か四年生で、この映画のことをまったく知らなかったのだけれど、二つ上の姉が、これを観たくて観たくてたまらなかったらしく、親に懇願した結果、とある日曜日に父親に連れられて姉弟の三人で、当時の住まいから少し離れた所にあった名画座の類の映画館に行くことになった。そういう映画だから普通は母親が同行するものなのだろうが、母親はその日はパートであったため仕方なく父親が連れて行ってくれたのだと思う。それに僕も父親も同時上映していた何かの西部劇映画の方に興味があったから「小さな恋のメロディ」などまったくと言っていいほど眼中になかった。(昔は街の小さな映画館では、たいてい映画が二本立て、もしくは三本立てで上映されていた。しかも入れ替えもなかったから一回料金を払ってしまえば映画館から出ない限り何度でも観ることができた。)
 興味があった西部劇映画がどんなものであったか、今となってはまったく覚えていない。と言うのも、まずは途中で思いがけず大画面に外人女性の裸体とベッドシーンの映像が登場したからだ。その映像があの頃の僕には非常に刺激的であったのだろう(当時は今のような年齢規制なんてものはまったくなかったから、そんなシーンがある映画でも子供が入場していようがいまいが平気で上映されていたのだ)、それまでのストーリーなんか吹っ飛んでしまったし、その後の肝心の撃ち合いのシーンなんかも頭に入ってこなかった。あの外人さんの豊満なオッパイで頭の中がいっぱいになってしまったのだ。(だから今でもその西部劇で覚えているのはそのシーンくらいである。)
 しかし、そんな外人さんの豊満なオッパイの映像さえも僕の頭の中から吹き飛ばしたのが、その後に上映された「小さな恋のメロディ」という映画だった。

 前述したとおり、僕はこの映画のことをまったく知らなかったし、姉が騒いでいたから、どうせ女子向けのアイドルが出て来るようなチャラチャラした映画なんだろうと思い込んでいた。だからあまり観たくなかったし、できればもう帰りたかったのだけれど、姉にとってはこれがメインだったから、そういうわけには行くはずがなく、だからと言って僕一人が席から離れる訳にもいかなかった。今ならたいていの場合、席は指定されているし立ち見もよほどのことがなければ発生しないと思うが、当時の名画座の類というものは席は早い者勝ちだし立ち見も当たり前。この時も満席でかつ周りには溢れんばかりの立ち見客がいた。それゆえ油断したらすぐに席を横取りされたりしたので気安く席を立つわけにはいかなかったのである。

 父を見ると既に腕組みをして目を閉じていて、僕らに「今から居眠りする」ということを示唆していた。
 姉はもう期待に胸がパンパンに膨らんでいるようで、「小さな恋のメロディ」の上映が始まるのを今か今かと待ちわびていた。
 僕は諦めて半ば仕方なく「小さな恋のメロディ」を観ることにした。
 だが映画が始まるや否や、僕の目はすぐにこの映画に釘付けになった。「小さな恋のメロディ」という映画は女子向けのアイドルが出て来てチャラチャラしたことをして騒ぐというような低俗な映画ではなかった。こんなオッサンが今口にすると恥ずかしい限りだけれど、それはそれはもう絶えず胸がキュンキュンする映画だったのである。
 主人公であるダニエル(マーク・レスター)やメロディ(トレイシー・ハイド)が11歳という、当時の自分と近い年齢であったことや、その頃ほのかに自分の中に芽生えていたクラスメートへの淡い恋心が映像の所々で重なったりしたことが更に僕をこの映画にのめり込ませた。映画の中のダニエルは僕そのもの。そしてメロディは、憧れのクラスメートそのものだった。

 劇中の音楽もすごくいい。
 最初に流れる「イン・ザ・モーニング」、そしてメロディの姿をさりげなく映した場面で流れる「メロディ・フェア」。これらは大人になって久しい今聴いても本当に素晴らしいと思える歌で、いずれもビー・ジーズというグループの作品だ。
 更には「若葉の頃」。これもビー・ジーズの作品だ。
 そしてラストシーンで流れる「ティーチ・ユア・チルドレン」という歌。僕は長い間これもビー・ジーズの歌だと思っていて、以前必死で探したのだけれど見つからなかったということがあった。今回、これはビー・ジーズではなくて、クロスビー,スティルス,ナッシュ&ヤングというグループが歌っているのだということがわかった。ハッピーだ。これもすごくいい歌なのだ。
 ラストシーンは追いかけてくる大人たちを振り切ったダニエルとメロディの二人が、廃線の古びたトロッコに乗ってはるか彼方へと駆け出していく。その様は徐々にズームアウトされ、やがて空から田園風景をも含めたロンドンの景色を映し出す。

 何もかもが眩しい。久しぶりにこの映画を観て当時胸に抱いた切ない気持ちが少し蘇った。
 ああ、そうだった。思い出した。あのメロディ演ずるトレイシー・ハイドの姿が、あの頃本当に眩しく見えたのだ。それが今ほんの少しでも蘇ったから、僕はすごく嬉しかった。
 もう二度とあんな感覚は味わえまいと思っていたが、人間ってやっぱりどこかに残しているのだな。でも歳を取るにつれ、いつの間にかそれにたくさんの蓋がされてしまって、その存在すら忘れてしまうんだろう。だからたまにはこういう映画も観るべきなのだろう。
 たまには蓋を開いて素直な自分の気持ちに対峙し、本来持っているはずのピュアな感覚を蘇らせることも大事ではないか!
「いい歳をしたオッサンが気持ち悪い」と言われそうだ。でも僕は、いくつになっても切ないものは切ないと感じ続けていたい。皆そう思わないかい?

 トロッコに乗って線路のはるか彼方へと駆け出したあの二人は、それからどうなったのだろう。
 現実的に考えるとすぐに答えは出る。だけどそんなことを書くのは野暮の極みだ。確かにあのままでは済まされないだろう。それはあの物語の中でもそうだと思う。でもそれを乗り越えて、やがて本当に結ばれて欲しい。そして、その後もずっとずっと二人ともハッピーに過ごし続ける物語であって欲しい。


■ちなみに……
(1)姉は当時、親に内緒で後日友達と一緒に再び映画館に行ってこの映画を何度も観たようだ。そしてそれがどういう経緯かわからないが親にバレてしまい、子供だけで勝手に映画館に行ったことをこっぴどく怒られていた。僕はあの映画を何度も観た姉を羨ましく思ったものだった。

(2)「その頃ほのかに自分の中に芽生えていたクラスメートへの淡い恋心……」と先に書いたが、当時僕はあるクラスメートのことが好きだった。確か生まれて2回目の恋だったと思う。その子とはどういうわけか席が隣同士になることが多く、今でも信じられないのだけれど何故かすごく仲が良かった。トレイシー・ハイドには似ていなかったものの雰囲気はまさにメロディそのもので、すらっとした体形の、おさげが似合う、笑顔がとてもかわいい女の子だった。
 ある日、どういう経緯だったか今となってはとんと覚えていないのだけれど、その子が面と向かって僕に言ったのだ。
「あたし、ぶんすけくんのこと好きやわぁ。だってやさしいし」
 これが僕が生まれて初めて女子から好きだと言われた瞬間だった。
 その子の顔にはちょっとテレが入っていたのだけれど、その表情は目を瞑れば今でもその記憶が蘇るほどに清々しいものだった。
「何言うてんねん」
 うぶでバカな僕は、その子にそっけなくそう言い返した。いきなりそんなことを言われて心臓がドキドキしたのと、嬉しさと恥ずかしさ、そしてテレが入ってしまったから、そうとしか答えられなかったのだ。
 今から思えば子供だったといえども何て失礼なことをしたのかと思う。本当はあの時「僕もXX子ちゃんのことが好きや」と言いたかった。僕がもう少し大人だったら素直にそう言えたかもしれないし、そうしたらきっとその後の二人の関係も違っただろう。
 その当時、10歳くらいだろうか。女の子、とりわけあの子はもう、きっと大人への入り口にさしかかっていたのだろう。でもあの頃の僕はまだまだどうしようもなく子供だったのだ。

 それから僕らは疎遠になったりはしなかったけど、かと言って更に親密になったわけでもなかった。ただの仲の良いクラスメートとして過ごした。でもその学年の終わりに僕が転校してしまったものだから、それ以降二度とその子と会うことはなかった。
 今あの子はどうしているのだろう。「もし」、「たら」、「れば」の話になってしまうが、あのまま僕があの学校に残っていたら、あの子とどうにかなっていたのだろうか。

(3)映画館でこの映画を観てから数年後、世の中にディスコブームが沸き上がって、その中でもビー・ジーズの歌は出す曲がいずれも大ヒットし、世の中はそれらに大フィーバーしたのだけれど、それから少しして僕は、この映画の中で流れていたあのいくつもの名曲を歌っていたのが、何とも言えぬ「男の裏声」で「ナイトフィーバー!」だの「スティンアラアイブ!」などと叫んでいるこのグループだったのだと知って大そう驚いてしまった。
 何が彼らを「男の裏声」へと進ませたのだろうか?

(4)年齢を問わず、僕はこの「小さな恋のメロディ」という映画を推薦します。

(5)この映画を観たせいだろう、猛烈に「フレンズ~ポールとミシェル」(Friends)という映画をもう一度観たくなった。これも大昔、確か僕が中学生だった頃に観たきりだ。確かアニセー・アルビナという女優さんが出ていた。そうだ、その続編もあったはずだ。この次レンタル屋に行ったら探してみよう。




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