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文亮[ぶんすけ]

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第62話 思い出すのは思い出せないことばかり(3)

2017/05/08 Mon 08:35
category - エッセイ
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 二つ目。それは予備校時代に使っていた一冊のノートのこと。
 予備校時代、それは幼稚園から始まる僕の園児~児童~学生としての十数年間の生活の中で一番女子に恵まれていた一年だ。予備校に入るまで「彼女」はもちろん「友達」と呼ぶことができる女子さえも一人としていなかった僕であったのだけれど、予備校に入るや否や突如数人の親しい女友達ができたのだ。これはもう奇跡と言っても過言ではなかった。たまたま座った席の隣にいた女の子から急に「席を換わってくれませんか」と言われて、それに応じたことがきっかけだった。その子と知り合い、その筋で女子だけでなく数人の男たちとも友達になった。気が付けば男女10人ほどのグループになっていて、それは当時流行っていた「グループ交際」のようでもあった。(皆浪人生だったので大したものではなかったが……。)事実僕は数人いた女の子の中の数人に恋心を抱いたのだけど、こんなことは初めてだった。
 その中に飛び抜けて僕好みである女の子がいた。彼女は僕と同じクラスではなく一番優秀なクラスにいて東京の有名私大を目指していた。僕なんかよりもずっと頭が良かったし、更にはスレンダーでとてもチャーミングだったからよくモテていた。とても僕なんかが手が出せるような女の子ではなかったから、いつも遠めに見るだけだった。まさに「高嶺の花」そのものだった。一日に一回でも彼女と話ができたらそれで満足だった。それに帰る方向が同じで乗る電車も途中までは同じだったから、時には二人で帰るという、それはそれは「超絶的に幸せな機会」もあった。彼女に対して恋愛感情は確かに持っていたが告白したところで振られるのは目に見えていたから、そんなことになるくらいなら普通の友達としての関係のままでいることを僕は選んだ。彼女と話ができるだけで本当に、本当に僕は幸せだったのだ。
 そんな彼女からある日、「ノートを見せて欲しい」と言われた。夏期講習か冬休みの講習だったか忘れたのだけれど、彼女が欠席してしまった授業があって親しい仲では僕だけが出席していたのだ。
 僕は喜んで彼女にノートを貸した。汚い字を見られるのが恥ずかしかったけれど、それでも彼女から「ありがとう」と言われて僕はすごく嬉しかった。
 数日後、彼女が僕のクラスにやってきた。何かなと思ったら、貸していたノートを返しにきたのだった。
 僕はそれを受け取り鞄の中に入れた。
 次にそのノートを開いた時、それはいつだったか忘れてしまったのだけれど、あるページの上の方に見慣れない文字が書かれているのを僕は見つけた。
「サンキュー」
 その文字と一緒に何かの模様のようなものも描かれていた。文字はどう見ても僕のものではない。誰が書いたのだろうと思った次の瞬間、それが例の彼女によるものだと気が付いた。

 その瞬間からこのノートは僕の宝物になった。

(次回「第63話 思い出すのは思い出せないことばかり(4)」に続く)






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